真宗大谷派の最高規定

真宗大谷派宗憲(全文)

 

前文

 宗祖親鸞聖人は、顕浄土真実教行証文類を撰述して、真実の教たる佛説無量寿経により、阿弥陀如来の本願名号を行信する願生浄土の道が、人類平等の救いを全うする普遍の大道であることを開顕された。
 宗祖聖人の滅後、遺弟あい図って大谷の祖廟を建立して聖人の影像を安置し、ここにあい集うて今現在説法したもう聖人に対面して聞法求道に励んだ。これが本願寺の濫觴であり、ここに集うた人びとが、やがて聞法者の交わりを生み出していった。これがわが宗門の原形である。
 したがって、この宗門は、本願寺を真宗本廟と敬仰する聞法者の歓喜と謝念とによって伝承護持されてきたのであり、宗祖聖人の血統を継ぐ本願寺歴代は、聖人の門弟の負託に応えて本廟留守の重任に当られた。中興蓮如上人もまた、自ら大谷本願寺御影堂留守職として、専ら御同朋御同行の交わりの中において立教開宗の本義を闡明して、真宗再興を成し遂げられたのである。
 爾来、宗門は長い歴史を通して幾多の変遷を重ねるうちには、その本義が見失われる危機を経てきたが、わが宗門の至純なる伝統は、教法の象徴たる宗祖聖人の真影を帰依処として教法を聞信し、教法に生きる同朋の力によって保持されてきたのである。
 このような永遠普遍の教法と宗門固有の伝統に立ち、宗門運営の根幹として次のことを確認する。
 第一に、すべて宗門に属する者は、常に自信教人信の誠を尽くし、同朋社会の顕現に努める。
 第二に、宗祖聖人の真影を安置する真宗本廟は、宗門に属するすべての人の帰依処であるから、宗門人はひとしく宗門と一体としてこれを崇敬護持する。
 第三に、この宗門の運営は、何人の専横専断をも許さず、あまねく同朋の公議公論に基づいて行う。
 わが宗門は、この基本精神に立脚し、かつ同朋の総意に基づくこの宗憲に則り、立教開宗の精神と宗門存立の本義を現代に顕現し、宗門が荷負する大いなる使命を果すことを誓う。

第一章 総則

(名称)
第一条 この宗門は、真宗大谷派(以下「本派」という。 )と称する。

(目的)
第二条 本派は、宗祖親鸞聖人の立教開宗の精神に則り、教法を宣布し、儀式を執行し、その他教化に必要な事業を行い、もって同朋社会を実現することを目的とする。

(組織)
第三条 本派は、真宗本廟を中心として、僧侶、門徒、寺院、教会その他の所属団体を統合する宗門である。

(事務所)
第四条 本派の事務所は、真宗大谷派宗務所と称し、京都府京都市下京区烏丸通七条上ル常葉町七百五十四番地に置く。

(最高規範)
第五条 この宗憲は、本派の最高規範であって、この規定に反する規則、条例、達令及び宗務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効を有しない。
2. 本派に属する個人、団体及び機関は、この宗憲を尊重し、遵守する義務を負う。

(宗務の定義)
第六条 この宗憲において「宗務」とは、本派が第二条の目的を達成するために行うすべての業務、事業及び事務をいう。

(宗教法人)
第七条 本派は、宗教法人法による宗教法人とする。

第二章 教義及び儀式

(教義)
第八条 本派の教義は、宗祖親鸞聖人が、佛説無量寿経に基づいて、顕浄土真実教行証文類を撰述して開顕した本願の名号を体とする往還二種廻向を要旨とする。

(本尊)
第九条 本派は、阿弥陀如来一佛を本尊とする。

(安置する影像)
第十条 本派は、正法弘通の恩徳を謝するため、宗祖聖人、聖徳太子、七高僧及び歴代門首の影像を安置する。

(正依の聖教)
第十一条 本派正依の聖教は、次のとおりである。
一 浄土三部経
  佛説無量寿経
  曹魏康僧鎧訳
  佛説観無量寿経 劉宋彊良耶舎訳
  佛説阿弥陀経 姚秦鳩摩羅什訳
二 七高僧論釈章疏
  十住毘婆娑論易行品 龍樹造
  十二礼 龍樹造
  浄土論 天親造
  浄土論註 曇鸞撰
  讃阿弥陀佛偈 曇鸞撰
  安楽集 道綽撰
  観無量寿経疏 善導撰
  往生礼讃 善導撰
  法事讃 善導撰
  般舟讃 善導撰
  観念法門 善導撰
  往生要集 源信撰
  選択本願念佛集 源空撰
三 宗祖聖人撰述
  顕浄土真実教行証文類
  浄土文類聚鈔
  愚禿鈔
  入出二門偈
  浄土三経往生文類
  如来二種回向文
  尊号真像銘文
  一念多念文意
  唯信鈔文意
  浄土和讃
  高僧和讃
  正像末和讃

(儀式)
第十二条 本派の儀式の主なものは、次のとおりである。
一 法要式
二 得度式
三 帰敬式
2. 法要式は、佛祖を礼拝し、所依の聖教を読誦し、佛徳を讃嘆して報恩の誠を尽くす儀式である。
3. 得度式は、本派の僧侶となる儀式であって、御影堂において門首がこれを行う。
4. 帰敬式は、本派に帰依の誠を表わす儀式であって、門首がこれを行う。ただし、住職及び教会主管者は、門徒の希望により、これを行うことができる。
5. 儀式に関する重要な事項は、条例でこれを定める。

第三章 真宗本廟

(真宗本廟)
第十三条 真宗本廟は、宗祖聖人の真影を安置する御影堂及び阿弥陀堂を中心とする聖域であって、本願寺とも称し、本派の崇敬の中心、教法宣布の根本道場である。
2. 真宗本廟は、すべての寺院及び教会の本山とし、本派に属するすべての個人及び団体は、これを崇敬護持しなければならない。

(大谷祖廟)
第十四条 大谷祖廟は、宗祖聖人墳墓の地であって、本派に属する者は、これを敬仰護持しなければならない。

第四章 門首

(門首の地位)
第十五条 門首は、本派の僧侶及び門徒を代表して、真宗本廟の宗祖聖人真影の給仕並びに佛祖の崇敬に任ずる。
2. 門首は、僧侶及び門徒の首位にあって、同朋とともに真宗の教法を聞信する。

(地位の継承)
第十六条 門首の地位の継承は、宗会の議決した内事章範の定めるところによる。

(門首の宗務に関する行為)
第十七条 門首は、内局の進達により、次の事項を行う。
一 本尊、名号、影像及び法名を授与すること。
二 儀式を主宰すること。
三 得度式及び帰敬式を行うこと。
四 宗会による宗務総長の指名を認証すること。
五 内局による審問院長の指名を認証すること。
六 宗憲改正を公示すること。
七 宗会招集の達示を発すること。
八 宗議会解散の達示を発すること。
九 褒賞を授与すること。
十 懲戒に処せられた者の減免及び復権を認証すること。

(門首の行為と内局の進達)
第十八条 門首が、宗務に関する行為を行うときは、すべて内局の進達を必要とし、内局がその責任を負う。
2. 門首は、前項の進達事項を拒み、又はこれに干渉することができない。
3. 門首が、第一項の進達によらないで行った宗務に関する行為は、効力を有しない。
4. 門首が、第二項に違反して宗務に関する行為をしないときは、その事項について、内局は臨時にこれを代行することができる。

(門首の権能の限界)
第十九条 門首は、第十七条に定める宗務のほか、宗務執行に関する権能を有しない。

(解釈規定)
第二十条 第十七条の規定は、内局の進達に対する門首の拒否又は干渉によって、進達された事項の効力の発生が妨げられるものと解してはならない。

(門首の代行)
第二十一条 門首が欠けすみやかに継承者を決定し難いとき、又は門首が未成年であるとき、若しくは門首が病気、旅行その他の事由により、この宗憲で定める事項を行えないときは、参与会及び常務会において選定された者が、門首の職務のすべてを代行する。
2. 門首が、この宗憲で定める事項を行わないために宗務の執行が妨げられる場合、若しくは第十八条第一項の規定に反して行った行為により、宗務執行に支障を生じた場合も前項と同様とする。
3. 門首の代行に関する事項は、条例でこれを定める。

第五章 宗会


第一節 宗議会及び参議会

(宗会の地位)
第二十二条 宗会は、本派の最高議決機関である。

(宗会の構成)
第二十三条 宗会は、宗議会と参議会の両議会で構成し、宗議会は僧侶たる議員で、参議会は門徒たる議員で、それぞれ組織する。
2. 両議会の議員の定数及び選出の方法に関する事項は、条例でこれを定める。

(議員の任期)
第二十四条 宗議会議員の任期は四年とし、参議会議員の任期は三年とする。ただし、宗議会が解散された場合、宗議会議員の任期は、その期間満了前に終了する。
2. 宗会の開会中に任期が満了する場合は、閉会まで在任する。
3. 補欠による議員の任期は、前任者の残任期間とする。

(議員の発言)
第二十五条 両議会の議員は、議会で行った演説、討論又は表決について、議会外で責任を問われない。ただし、議員自らその言論を演説、刊行その他の方法で流布したときは、この限りでない。

(招集)
第二十六条 宗会の常会は、毎年一回これを招集する。
2. 緊急の必要がある場合には、臨時会を招集する。
3. 両議会のいずれかの議員の半数以上の請求があったときは、内局は、宗会の招集を決定しなければならない。

(宗議会の解散)
第二十七条 宗議会が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、宗議会議員の総選挙を行い、その選挙の日から四十日以内に、宗会を招集しなければならない。
2. 宗議会が解散されたときは、参議会は、同時に閉会となる。

(定足数と議決の方法)
第二十八条 両議会は、それぞれの議員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2. 両議会の議事は、この宗憲に特別の定めがある場合を除いては、それぞれ出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(会議公開の原則)
第二十九条 両議会の会議は、公開とする。ただし、宗務総長の要求があったとき、又は出席議員の半数以上の多数で議決したときは、秘密会とすることができる。

(議事録)
第三十条 両議会は、それぞれの会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表しなければならない。

(役員の選任)
第三十一条 両議会は、それぞれ議長及び副議長各一人並びにその他の役員を選任する。

(議案の発議)
第三十二条 両議会は、それぞれ条例案を発議することができる。

(条例案の先議・議決と公示)
第三十三条 条例案は、さきに宗議会の議に付さなければならない。
2. 条例案は、両議会で可決したとき条例となる。ただし、宗議会で可決し、参議会で否決するか又は宗議会の可決と異った議決をした場合には、条例に定める両会協議会の議に付するものとし、その意見が宗議会の可決と一致したときは、参議会もこれを可決したものとみなし、その意見がこれと一致しないときは、更に宗議会の議に付し、その議決を両議会の議決とみなす。
3. 参議会が、宗議会で可決した条例案を審議に付し、三日を経てなお議決しないときは、参議会も宗議会の可決と同じ議決をしたものとみなす。
4. 内局は、両議会で可決した条例を、可決した日から二十日以内に、これを公示しなければならない。

(予算の先議と議決)
第三十四条 予算は、さきに宗議会に提出しなければならない。
2. 予算を宗議会で可決し、参議会で否決するか又は宗議会の可決と異った議決をした場合には、条例に定める両会協議会の議に付するものとし、その意見が宗議会の可決と一致したとき、又はその意見が一致しないときは、参議会もこれを可決したものとみなす。
3. 前条第三項の規定は、両議会の予算の議決にこれを準用する。

(特別決議事項)
第三十五条 宗教法人真宗大谷派規則及び内事章範を改正するには、宗議会及び参議会の各議員の定数の過半数が出席した議会において、それぞれ三分の二以上の多数によって議決しなければならない。

(宗務の調査)
第三十六条 両議会は、それぞれ宗務に関する調査を行い、これに必要な報告若しくは文書の提出を宗務総長に要求することができる。

(内局員の両議会への出席)
第三十七条 宗務総長及び参務は、何時でも両議会に出席して発言することができ、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

(両議会及び両会協議会に関する条例)
第三十八条 両議会の会議その他の手続及び内部規律に関する事項、並びに両会協議会に関する事項は、それぞれ条例でこれを定める。

第二節 参与会及び常務会

(組織)
第三十九条 宗議会に参与会、参議会に常務会を置く。
2. 参与会は、十人の参与会員で組織し、宗議会の議長・副議長及び宗議会において互選した者がこれに当る。
3. 常務会は、十人の常務会員で組織し、参議会の議長・副議長及び参議会において互選した者がこれに当る。
4. 参与会員及び常務会員は、議員の任期が終わっても、後任者が就任するまで在任する。

(議長及び副議長)
第四十条 参与会及び常務会の各議長・副議長は、それぞれ宗議会・参議会の議長・副議長がこれに当る。

(定足数と議決の方法)
第四十一条 参与会及び常務会は、宗憲、規則及び条例で定める場合を除き、それぞれの会員の半数以上の出席によって開き、出席者の過半数で決する。可否同数のときは、議長の決するところによる。

(参与会及び常務会の権限)
第四十二条 参与会及び常務会は、次に掲げる事項を議決する。
一 宗議会又は参議会から委任を受けた事項
二 予算外の負担となる契約の締結に関する事項
三 重要な財産の買入、処分及び保管の方法に関する事項
四 緊急支出に関する事項
五 この宗憲、条例及び宗教法人真宗大谷派規則に定める事項
六 その他内局が提出した事項

(議決事項の報告)
第四十三条 参与会で議決した事項は次の宗議会に、常務会で議決した事項は次の参議会に、それぞれ議長がこれを報告しなければならない。

第六章 内局その他の機関


第一節 内局

(宗務執行の権限)
第四十四条 宗務執行の権限は、内局に属する。

(組織)
第四十五条 内局は、宗務総長及び五人の参務でこれを組織する。
2. 参務は、本派の教師の中から、宗務総長がこれを任命する。
3. 宗務総長は、参務を罷免することができる。

(代表役員)
第四十六条 宗務総長は、宗教法人たる本派の代表役員となる。

(連帯責任)
第四十七条 内局は、宗務執行について、宗会に対し連帯して責任を負う。

(宗務総長の指名)
第四十八条 宗務総長は、本派の教師の中から、宗会が指名し、門首がこれを認証する。この指名は、他のすべての議案に先だって、これを行う。
2. 第三十四条第二項及び第三十三条第三項の規定は、前項の両議会の宗務総長の指名にこれを準用する。

(内局不信任と解散又は総辞職)
第四十九条 内局は、宗議会で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に宗議会が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

(内局総辞職)
第五十条 宗務総長が欠けたとき、又は宗議会議員総選挙の後にはじめて宗会の招集があったときは、内局は、総辞職をしなければならない。

(総辞職後の内局の職務)
第五十一条 前二条の場合には、内局は、あらたに宗務総長の指名が認証され及び参務が任命されるまで引き続きその職務を行う。

(宗務総長の職務)
第五十二条 宗務総長は、内局を代表して、議案を宗会に提出し、宗務について宗会に報告し、並びに職制によって宗務の各部を統理する。
2. 職制に関する事項は、条例でこれを定める。

(内局の職務)
第五十三条 内局は、一般宗務のほか、次の事務を行う。
一 予算を作成して宗会に提出すること。
二 宗憲及び条例の規定を実施するため、達令を制定すること。
三 懲戒に処せられた者の減免及び復権を決定すること。

(緊急達令)
第五十四条 内局は、宗会閉会の場合において、宗会の議決を要する事項で特に緊急を要するものについては、参与会及び常務会の議決を経て、緊急達令によってこれを執行することができる。ただし、この緊急達令については、次の宗議会及び参議会のはじめに提出して、その承認を求めなければならない。もし、その宗議会及び参議会でこれが承認されないときは、この緊急達令は将来に向ってその効力を失うものとし、宗務総長は、その旨を公示しなければならない。
2. 第三十四条第二項及び第三十三条第三項の規定は、前項の両議会の承認にこれを準用する。

第二節 董理院

(董理院)
第五十五条 宗義に関する重要事項を審議し、及び宗務総長の申報により宗義に関する言説についての正否を判ずるため、董理院を置く。

(董理の数及び任期)
第五十六条 董理院は、董理十人以内で組織する。
2. 董理は、講師及び嗣講の中から宗務総長がこれを任命し、その任期は、四年とする。ただし、再任を妨げない。

(董理院に関する条例)
第五十七条 董理院に関する事項は、条例でこれを定める。

第三節 会計監査院

(会計監査院)
第五十八条 本派の財産の管理、歳入歳出の決算、金品の出納その他財務の状況を監査するため、会計監査院を置く。
2. 会計監査院に関する事項は、条例でこれを定める。

第四節 宗務出張所

(宗務出張所)
第五十九条 政府その他中央の諸機関との連絡及び首都における施策の調整をはかるため、東京都に東京宗務出張所を設ける。
2. 宗務出張所の職制に関する事項は、条例でこれを定める。

第五節 地方宗務機関

(教区)
第六十条 地方の宗務を運営するため、全国を教区に分け、各教区に教務所長を置き、教務所を設ける。
2. 特に必要な教区に、教務支所を設けることができる。

(組)
第六十一条 教区を組に分け、普通寺院、教会その他の所属団体をこれに分属させる。ただし、別院は、教区又は開教区に所属させる。
2. 組に組長及び副組長若干人を置く。

(教区会・組会・門徒会)
第六十二条 教区に教区会並びに教区門徒会を置き、組に組会並びに組門徒会を置く。

(紛議調停委員会)
第六十三条 教区に紛議調停委員会を設け、宗務上の紛議について審査調停する。

(開教区)
第六十四条 開教を必要とする地に開教区を設け、これに開教監督を置き、開教監督部を設ける。

(地方宗務の運営)
第六十五条 地方宗務機関は、宗会の議決に基づく宗務執行の方針に則り、地方の特性に適応して、教学の振興と宗門の発展に寄与するよう努めなければならない。

(地方宗務機関に関する条例)
第六十六条 地方宗務機関に関する事項は、条例でこれを定める。

第七章 審問院

(審問院)
第六十七条 本派に審問院を置く。

(審問院の権限)
第六十八条 審問院は、本派の秩序を保持し、本派の規定による異議の申立及び係争又は紛争に関する事項並びに僧侶の懲戒に関する事項について監察、提訴及び審決を行う。
2. 審問院に審問室及び監察室を置く。
3. 審問室は、僧侶の非違行為及び本派の規定による異議の申立の審問を司る。
4. 監察室は、僧侶の非違行為の容疑の監察、調査及び提訴並びに本派の秩序維持及び風紀の取締に関する事項を司る。
5. 監察及び提訴の権限と審決の権限は、それぞれ独立の権限とする。

(審問院長)
第六十九条 審問院には、審問院長一人を置く。
2. 審問院長は、本派の教師の中から、宗議会の同意を得た者について、内局がこれを指名する。

(審問院に関する条例)
第七十条 審問院の組織及び審問手続に関する事項は、条例でこれを定める。

第八章 本派に属する寺院及び教会

(寺院及び教会の任務)
第七十一条 本派に属する寺院及び教会は、堂宇を備え、本尊を安置し、教法を宣布し、儀式を執行し、その他教化に必要な事業を行う。

(寺院の種別)
第七十二条 寺院を分けて、別院及び普通寺院とする。

(別院の住職)
第七十三条 別院に住職一人を置き、門首がこれに当る。ただし、門首以外の者を住職とすることができる。

(輪番)
第七十四条 別院に輪番一人を置く。
2. 輪番は、住職の職務を代掌し、宗教法人たる別院の代表役員となる。

(普通寺院の住職及び教会主管者)
第七十五条 普通寺院に住職、教会に教会主管者それぞれ一人を置く。
2. 住職又は教会主管者は、普通寺院又は教会を主管し、宗教法人たる普通寺院又は教会の代表役員となる。
3. 住職又は教会主管者に事故あるときは、代務者を置く。
4. 住職、教会主管者及びこれらの代務者は、教師の中からこれを任命する。

(住職及び教会主管者の任務)
第七十六条 住職及び教会主管者は、門徒の教化と僧侶及び寺族の指導に当り、寺院及び教会の興隆発展に努めなければならない。

(寺院及び教会に関する条例)
第七十七条 寺院及び教会並びに住職、教会主管者及びこれらの代務者に関する事項は、条例でこれを定める。

(寺籍簿)
第七十八条 宗務所に寺籍簿を備え、寺院、教会の名称、所在地その他必要な事項を記載する。

第九章 僧侶及び門徒


第一節 僧侶

(僧侶の任務)
第七十九条 得度式を受け、僧籍簿に登載された者を本派の僧侶という。
2. 僧侶は、佛祖に奉仕し、教法を研修宣布し、つねに真宗本廟崇敬の念をたもち、宗門並びに寺院、教会の興隆に努めなければならない。

(僧侶の所属)
第八十条 僧侶は、寺院又は教会に所属する。ただし、門首、前門、新門、新新門及び連枝については、別にこれを定める。

(教師)
第八十一条 僧侶であって、教師資格を具備する者を教師に補任する。
2. 僧侶及び教師に関する事項は、条例でこれを定める。

第二節 門徒

(門徒の任務)
第八十二条 教法を聞信して真宗本廟に帰敬し、寺院又は教会に所属する者を本派の門徒という。
2. すべて門徒は、帰敬式を受け、宗門及び寺院、教会の護持興隆に努めなければならない。

(総代の任務)
第八十三条 門徒であって、衆望ある者の中から総代を定める。
2. 総代は、住職又は教会主管者をたすけ、寺院、教会の興隆発展に努めなければならない。

(門徒及び総代に関する条例)
第八十四条 門徒及び総代に関する事項は、条例でこれを定める。

第十章 教化及び学事

(教化の本旨)
第八十五条 本派の教化は、宗祖聖人によって開顕された教法を明らかにし、自信教人信の実を挙げることを本旨とする。

(学事と教育のための施設)
第八十六条 本派は、学事及び教育の振興をはかるため、学校、安居、学院、道場その他の施設を設ける。

(教育研修)
第八十七条 本派は、僧侶、寺族及び門徒に対し、教育研修を行う。

(学階)
第八十八条 教師であって、学事上資格のある者に対し、学階を授与する。

(教化及び学事に関する条例)
第八十九条 教化及び学事に関する事項は、条例でこれを定める。

第十一章 褒賞及び懲戒

(褒賞)
第九十条 本派に貢献し、又は社会に寄与した者に対し、褒賞を授与する。
2. 褒賞に関する事項は、条例でこれを定める。

(懲戒)
第九十一条 僧侶で非違行為のある者については、その軽重に応じてこれを懲戒する。
2. 懲戒に関する事項は、条例でこれを定める。

第十二章 財務


第一節 財産及び経費

(財産の種別)
第九十二条 本派の財産は、特別財産、基本財産及び普通財産とする。

(経費の支弁)
第九十三条 本派の経費は、次に掲げる収入をもってこれを支弁する。
一 冥加金
二 賦課金
三 礼金
四 相続講金
五 同朋会員志金
六 懇志金
七 回付受金
八 前各号以外の収入

第二節 財政

(財政の処理)
第九十四条 本派の財政は、両議会の議決に基づいて、これを処理しなければならない。

(予算の議決)
第九十五条 内局は、毎会計年度の予算を作成し、宗会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。ただし、両議会は、予算科目を発案し、又は原案の歳入歳出の金額を増加することができない。

(宗費賦課の議決)
第九十六条 あらたに宗費を賦課し、又は現行の宗費の賦課を変更するためには、両議会の議決を経なければならない。

(予備費)
第九十七条 予算の不足を補い、又は予算外の支出に充てるため、予算の中に予備費を設けることができる。
2. 予備費は、内局の責任でこれを支出する。

(決算の承認)
第九十八条 収入支出の決算は、すべて毎年会計監査院の監査報告書を添えて、これを宗会に提出しなければならない。

(財務に関する条例)
第九十九条 財務に関する事項は、条例でこれを定める。

第十三章 改正

(改正の手続)
第百条 この宗憲の改正は、宗務総長が両議会に提出し、その議決を経なければならない。
2. 宗議会議員の定数の過半数又は参議会議員の定数の過半数が、宗務総長に対して宗憲改正案を発議し、その提出を請求したときは、宗務総長は、その改正案を提出しなければならない。

第百一条 この宗憲の改正は、宗議会及び参議会の各議員の定数の三分の二以上が出席した議会において、それぞれ四分の三以上の多数によって議決しなければならない。
2. 宗憲改正について前項の議決を経たときは、門首は、第十七条による進達の日から二十日以内にこれを公示しなければならない。

【親鸞聖人の著作】
  「顕浄土真実教行証文類」(「教行信証」)、
  「浄土和讃」、「高僧和讃」、「正像末和讃」、
  「浄土文類聚鈔」、「愚禿鈔」、「入出二門偈」、「五会法事讃略抄」、
  「如来二種回向文」、「弥陀如来名号徳」、「三経往生文類」、「尊号真像銘文」、
  「一念多念証文」、「唯信鈔文意」、「親鸞聖人御消息」
【正依の経典・お経】仏説無量寿経(大経)、仏説観無量寿経(観経)、仏説阿弥陀経(小経)
【仏教とは】紀元前6世紀ごろお釈迦さまによって説かれた仏になるための教え。人生は苦であるということ(四苦八苦)から出発して八正道の実践により解脱して涅槃に至ることを説く。キリスト教・イスラム教とともに世界三大宗教のひとつ。
【浄土真宗とは】鎌倉時代の初めに法然上人の弟子の親鸞聖人によって開かれた浄土教の一派。阿弥陀仏の浄土に生れて悟りを開くことを目的とし、阿弥陀仏の力で救われる絶対他力により信心だけで往生できるとする。真宗とも称し,一向宗,門徒宗などとも呼ばれる。真宗は主に十派あり、本願寺は蓮如上人により興隆したので、蓮如上人は中興の祖と呼ばれる。
【真宗十派とは】真宗大谷派(東本願寺)、浄土真宗本願寺派(西本願寺)、真宗高田派、真宗佛光寺派、真宗興正派、真宗木辺派、真宗出雲路派、真宗誠照寺派、真宗三門徒派、真宗山元派
【寺院とは】仏閣、僧院ともいう。一般的には仏教において、仏像を安置し僧侶などが住み、仏道の研究や布教活動のための修行や儀式を行う場として用いる建物を指す。日本では、古くは山の中に僧侶の修行の場として寺院が建てられたが、のちにお寺は人々の住む町の中につくられ、城下町にも寺院が造られた。江戸時代には、キリスト教を禁止するため、人々はいずれかの寺院に属さなければならないとする檀家(だんか)制度ができお寺は身近なものとなった。
お墓の歴史】現代のような墓石を使ったお墓が建てられ始めたのは江戸時代の元禄年間の頃である。ただ当時は権力者などが中心で一般の人々には縁遠いものでした。一般の人々がお墓を建てられるようになったのは、昭和の初期から戦後高度経済成長で人々が豊かになってからだと言われている。最近ではお墓の代わりに納骨堂や自然葬(散骨樹木葬、海洋葬)なども見られる。またお墓を作るには、 墓地、埋葬等に関する法律及び墓地、埋葬等に関する法律施行規則に従い許可が必要となる。
納骨堂の歴史】納骨堂の歴史は古く奈良時代に発掘されたものの中にも見受けられます。当時は霊廟と言われ、墓石が江戸時代に誕生したのに比べ納骨堂の歴史はとても永く続いています。
葬儀・葬式の歴史】葬儀の歴史は古く、数万年前のネアンデルタール人の遺跡からも葬儀らしき痕跡が発見されており、日本では縄文時代の遺跡に、腕を曲げて体を負った状態で葬られた屈葬が発見されている。現在日本では火葬が主流になっているが、7世紀以前の仏教が伝来する前は土葬が当たり前であったようである。葬儀の形式も一般葬以外に、家族葬、生前葬、音楽葬、自由葬、個人葬、密葬、直葬などさまざまな形がある。真宗大谷派の葬儀式はここをクリック